鳴り続ける電話を、AIが最初に受ける。
― 用件を聞き取り、要約して、人に渡す ―
電話は、かかってきた瞬間に人の手を止めます。件数が多いほど、本来の業務が進みません。音声AIが一次対応を引き受け、用件を聞き取って要約し、人が対応すべきものだけを引き渡します。
- 24時間・同時に何本でも
- 話し言葉のまま聞き取る
- 要約と録音が全件残る

従来のIVRと、何が違うのか
「1を押してください」の自動音声は以前からありました。音声AIが変えたのは、かけてきた人が操作を覚えなくてよくなったことです。
| 従来のIVR(プッシュ操作) | 音声AI | |
|---|---|---|
| 用件の伝え方 | 番号を選んで階層をたどる。該当する番号がないと詰まる | 話し言葉のまま伝えられる。「先週の注文の件で」で通じる |
| 一度に扱える情報 | 1階層で1つ。日時と用件を同時には受け取れない | 用件・日時・名前・電話番号をまとめて聞き取れる |
| 分岐の変更 | 音声の録り直しと設定変更が必要で、動きが重い | 対応方針の記述を変えるだけで反映できる |
| 記録の残り方 | どの番号を押したかだけが残る | 会話内容の要約・録音・抽出項目が全件残る |
| かけた人の体感 | 階層をたどる間に切られやすい | 人が出たときに近い流れで用件を伝えられる |
実際のやりとりのイメージ
折り返しの予約を受ける場合の例です。用件・希望日時・連絡先を一度の会話で受け取り、担当者には要約が届きます。
お電話ありがとうございます。ご用件をお話しください。
先週注文した部品の納期を確認したいんですが、担当の方いますか。
納期のご確認ですね。担当者におつなぎしますが、ただいま席を外しております。折り返しのお電話でもよろしいでしょうか。
はい、それで大丈夫です。
ありがとうございます。ご希望のお時間はございますか。
今日の夕方、17時以降だと助かります。
本日17時以降ですね。お名前とご連絡先をお願いします。
この例は動作イメージであり、実際の応答内容は業務に合わせて設計します。話し方・聞き返しの粘り・人に回す条件は、すべて調整できます。
AIが受ける電話、人に回す電話
全部をAIに受けさせようとすると、かけてきた相手を不快にさせます。最初に線を引きます。
AIが受ける
- 営業時間・場所・在庫などの定型的な問い合わせ
- 折り返し予約の受付(用件・希望時間・連絡先の聞き取り)
- 予約の受付・変更・キャンセル
- 担当部署の振り分けと取り次ぎ
- 営業時間外・混雑時のあふれ呼
すぐ人に回す
- クレーム・苦情と判断されたもの
- 緊急性が高い、または安全に関わる用件
- 金額・契約条件の交渉が絡むもの
- AIが2回聞き返しても要件を掴めなかったもの
- かけてきた方が「人に代わってほしい」と言ったとき
導入の進め方
いきなり全件をAIに向けることはしません。影響の小さい範囲から始めて、実際の通話を見ながら広げます。
- 01
現状の通話を分解する
何の用件が、どの時間帯に、何件かかってきているかを整理します。ここでAI化して効く範囲が決まります。
- 02
応答の設計
受け答えの方針、聞き取る項目、人に回す条件を決めます。ここが品質のほぼすべてを決める工程です。
- 03
限定運用
時間外のみ、あるいは特定の番号のみで開始します。実際の通話を毎日確認し、噛み合わなかった会話を洗い出します。
- 04
調整と拡大
聞き返しの粘り、人に回す条件、言い回しを調整し、対象を広げます。うまくいかない用件は無理にAIに残しません。
導入前に決めておくこと
技術より先に、運用ルールとして決めておく必要がある項目です。ここを曖昧にしたまま始めると、後から止まります。
- AIが応答していることを、かけてきた方にどう伝えるか。MGCは冒頭で明示する運用を標準としています。
- 通話の録音と、その保存期間・利用範囲をどう案内するか。個人情報の取り扱いに関わります。
- 人に引き渡す条件と、引き渡し先が不在だったときの扱い。ここが決まっていないと、たらい回しが起きます。
- AIが対応しきれなかった場合の最終的な受け皿。「結局つながらない」状態を作らないための設計です。
このサービスが向く場合、向かない場合
電話は相手が選べません。合わない状態で入れると、かけてきた方に不利益が出ます。先に条件を開示します。
向いています
- 同じ種類の問い合わせが繰り返し電話でかかってくる
- 電話に出るたびに現場の作業が中断されている
- 営業時間外やピーク時に、取りこぼしが発生している
- 折り返し前提の運用でも、かけてきた方が困らない業務である
今は向きません
- 着信のほとんどが緊急対応・クレームである
- 1件ごとに内容が大きく異なり、定型化できない
- 人に引き渡す先の体制がなく、結局つながらない状態になる
- 電話に出ること自体が価値になっている業態である
費用の考え方
通話量と対応範囲で変わるため一律の価格表は出していません。何にいくらかかる構造かを先に開示します。
- 初期費用
- 着信内容の分解、応答方針・聞き取り項目・人に回す条件の設計、限定運用での調整。
- 月額費用
- 運用と改善。実際の通話を確認し、聞き返しの粘りや言い回しを調整します。
- 従量費用
- 通話時間や音声処理の実費。着信件数に応じて変動します。
- 月間の着信件数と、1件あたりの平均通話時間
- 対応する用件の種類の数
- 対応時間帯(時間外のみか、終日か)
- 既存の電話環境と、CRM・チャットツールへの連携の有無
応答設計にかかる初期費用が、実運用の品質をほぼ決めます。ここを削って安く始めると、噛み合わない会話が増え、結局は人が対応し直すことになります。
関連する事例
同じ課題に取り組んでいる案件です。
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一次対応の自動化について、業種別に書いた記事です。
よくあるご質問
- 今使っている電話番号のまま導入できますか?
- 多くの場合、番号を変えずに導入できます。現在お使いの回線の種類と契約内容によって方法が変わるため、初回のご相談で構成を確認します。既存の電話機を残したまま、あふれ呼だけをAIに向ける構成も可能です。
- 方言や早口でも聞き取れますか?
- 一般的な会話であれば実用的な精度で聞き取れますが、100%ではありません。だからこそ「2回聞き返しても掴めなければ人に回す」といった逃げ道を必ず設計に入れます。聞き取れないことを前提にした設計にするかどうかで、実運用の満足度が変わります。
- 対応履歴はどこで確認できますか?
- 通話ごとに、要約・抽出した項目・録音を残します。既存のCRMやチャットツールへ流し込むこともできるため、担当者が普段見ている場所に通知を届ける形にできます。
- 結局、電話に出る人は不要になりますか?
- なりません。AIが引き受けるのは一次対応で、判断や交渉が要る電話は人に渡ります。目的は人を減らすことではなく、定型的な電話で作業が中断される状態をなくすことです。